トリガーポイント研究会

書籍・DVD紹介

責任トリガーポイント形成基盤として比重の高い骨格筋を学ぶのに有用な本、その他メディアを紹介します。
 
1.Interactive Functional Anatomy(DVD) LEXI(レキシー) ¥39,800
 深層の筋を触知するのに主要な技術が2つあります。
その一つは「線維走行に垂直に触察した時に、筋線維を最も明確に知覚できる」ことを利用します。
例えばこの技術で頭半棘筋の下の大後頭直筋、小後頭直筋、下頭斜筋が触れます。その際頭の中に触知しようとする筋の立体構造が既に構築されていなければなりません。その三次元の骨格筋イメージ作りに現時点では最も役立つのがこのDVDです。「清水の舞台根性」で買っても後悔しません。
お金がない学生の皆さんは、一生見続ける性格の教材でもないので、学校の図書室で購入して貰い、頻繁に閲覧するといいでしょう。
 
 生体モデル写真に内部構造のイラストを書き込む手法で筋が表示され、皮膚を通して中の筋肉の位置、走行をイメージする訓練に適した解剖学の本として一押しです。
マッサージの本としては全くお薦めではありませんし、トリガーポイントについての記述は間違っています。
解剖図だけが有用という意味では、原著” Basic clinical massage therapy”(Lippincott Williams & Wilkins)の方が、お薦めです。
 
 触察に関しては、我々もこの本をテキストに、十数年実践してきました。何と言っても解剖図は分かり易く、体表に補助線を引くと云う方法が斬新でした。その触察方法を用いて、自分だけでなく人にも、筋をわかりやすく説明・触知させることができたことを今でも感謝しています。
ただ現在はこの本で学んだことを土台に、我々は次のステージに立って触察を行う様になりました。即ち我々が開発・発展させた深層筋触知技術、筋縁重視の触察術などを用いることが増えたのです。どんな技術にも進化・発展があり、その技術で求めたことや視点が異なれば異なる進化を遂げます。異なる進化が再度刺激し合って、次なる進化を産み出す歴史に倣って、この本は我々が新版を期待する本の一つです。
 
 TPについての記念すべき金字塔であり、全ての骨格筋について、トリガーポイントの診断、治療が述べられた本です。
然し黒岩が、鍼灸技術に含まれる暗黙知と鍼灸治療の経験知を用いてトリガーポイント検索法を確立し、「責任トリガーポイント=発痛部」仮説を誕生させた(2000年頃)今となっては、読む意義は殆ど失われたと言えます。
但し、この本は、筋の解剖学書として出色の出来です。Travellは筋のトリガーポイントが主として疼痛症候に関与すると考えていました。筋を重視した結果、本書は厚さ5cmの解剖学専門書よりも正確な筋の解剖学テキストにもなっています。一般解剖学書の図と実際にその筋に触った感覚にズレがあり、悩まされた経験が何度かありますが、本書に正確に描かれた図を見ることでそのズレは解消されました。
ただ「クリニカル・マッサージ」と同じ理由と意味不明な訳の多さから、洋書の購入をお薦めします。
著書
1. トリガーポイント検索法と治療法―鍼療法とカイロプラクティック的手技療法の実際. 医道の日本社. 1996.
2. 臨床家のためのトリガーポイント・アプローチ―鍼療法と徒手的療法の実際. 医道の日本社.1996.
3. 疾患別治療大百科シリーズ 1 腰痛. pp.77- 84. 医道の日本社. 2000.
4. 疾患別治療大百科シリーズ3 頚肩腕痛. pp.81- 91. 医道の日本社. 2000.
5. 疾患別治療大百科シリーズ4 頭部疾患. pp.170-180. 医道の日本社. 2001.
 
ビデオ
1. 実践トリガーポイントテクニック Vol.1 トリガーポイント検出法. 医道の日本社. 1996.
2. 実践トリガーポイントテクニックVol.2 頚肩部と腰部の鍼治療. 医道の日本社. 1996.
 
 本とビデオに関しては、購読いただくのは嬉しい限りですが、現在鋭意執筆中の新著をお待ち下さい。と言うのは、この十年でトリガーポイント理論と理論に基づく治療技術が大幅に進化し、治療効果も飛躍的に向上したからです。
 
 2000 年頃にトリガーポイント検索法をほぼ確立し、トリガーポイントを捜し出して刺鍼するとどうなるか、どんな反応が得られるのか、捜せる者にしか分からない事実を観察することができました。事実を集めて科学理論は打ち立てられますが、事実を集めただけでは科学にはなりません。檜をいくら集めても家が建たないのと同じです。それら事実を貫く理論を洞察する道具として、概念を組み上げなければなりません。数多くのトリガーポイント体験を通じて、検索法完成とほぼ時期を同じくして「責任トリガーポイント」概念を確立できました。「検索法と責任トリガーポイント概念の確立」が臨床にも大きな飛躍をもたらし、刺鍼のリスクを低減させました。当初からトリガーポイントに興味を覚えていただいた先生方には、あれ程困難を極めた膝関節痛の治療が今では最も簡単な治療になるなど、10年間に生じた進化に驚かれると思います。新年早々の脱稿を目指しての報告です。
 
DVD
1. 坐骨神経痛に対するトリガーポイント鍼療法-トリガーポイント鍼療法の理論と治療手順. ジャパンライム. 2006.
2. 坐骨神経痛に対するトリガーポイント鍼療法-責任トリガーポイントの検索と刺鍼法. ジャパンライム. 2006.