なんとなく、資格の必要無い(国家資格の無い)マッサージ師や整体師の延長線というか、同じくくりで考えられがちな「鍼灸師(しんきゅうし)」という職業。ですが、実は、鍼灸師は理学療法士や作業療法士等と同様に「リハビリ・代替医療」として分類されているりっぱな国家資格なのです。
鍼灸師(しんきゅうし)の仕事とは?
鍼灸師とは、「鍼(はり)」や「灸(きゅう)」を用いて病気や怪我の治療を行なったり、健康回復促進したりする予防を助ける職種です。東洋医学に基づいた考え方で、身体本来の自然治癒力を高めることを目的としていて、「予防」も重視されています(これが、西洋医学との大きな違いです)「はり・きゅう」を用いて患部やツボを刺激し、身体の回復しようとする力を利用し、問題の改善や健康促進目指します。つまり、鍼灸師は東洋医学の専門家(プロ)といえるでしょう。
ただ、勘違いされることが多い点なのですが、実は「鍼灸師」という名前の資格は存在しません。資格があるのは「はり師」と「きゅう師」の2つ。鍼専門で治療を行っている施術者は「はり師」、そして灸を専門としている施術者は「きゅう師」となります。
鍼灸による治療とは実際、どんなもの?
東洋医学に基づく鍼灸治療では、身体中に存在する経穴(ツボ)を鍼灸で刺激し、治療につなげていきます。鍼で刺して刺激を与えたり、または、灸の熱で温めたりすることによって、身体本来の自然治癒力を引き出し、回復を目指します。免疫力も自然と高まっていくのが鍼灸治療の特徴です。
鍼灸治療では一般的な西洋医学の治療のように薬を処方するわけではないので、基本的に副作用もなく、妊婦さんや授乳中の女性、なんと赤ちゃんにまで行える治療として、近年ますます注目をあびています。
国家資格をとるには?
まず、鍼灸師になるためには以下の学校で一定の単位を修め、卒業しなければなりません。
・鍼灸系専門学校
・鍼灸学科のある4年制大学、または3年制短大
専門学校は、有名な日本医学柔整鍼灸専門学校をはじめ、鍼灸科があるところで養成課程を修了すれば、肝心の国家試験の受験資格を得られます。
または、鍼灸学科がある大学に進学し、所定のカリキュラムを学ぶと言うコースもあります。そして晴れて「受験資格」を獲得し、年に1回の国家試験に合格できれば、鍼灸師となれるのです。
*「はり師」と「きゅう師」は別々の資格なので気をつけましょう。